コーヒーミル粒度換算・比較マスターガイド(C40 / K-Ultra / Timemore / みるっこ)

コーヒーミル粒度換算・比較マスターガイド(C40 / K-Ultra / Timemore / みるっこ)

「新しいグラインダーを買ったけど、いつものレシピで淹れるには何クリックにすればいいの?」

そんな悩みを抱えるコーヒーラバーのために、設計思想の異なる主要グラインダー5機種の「粒度(挽き目)換算表」を作成しました。

目次

【結論】5機種・粒度換算マスターテーブル

まずは結論から。世界的な基準となっているComandante C40の「25クリック(中細挽き)」をベースに、各機種の推奨設定をまとめました。

以下の画像が、各抽出方法へのオフセット値をまとめたマスターテーブルです。特に使用頻度の高い「ドリップ (V60)」を基準点(ハイライト)としています。

5機種・粒度換算マスターテーブル

(画像が表示されない場合のテキスト版)

抽出方法粒度イメージC40(クリック)K-Ultra(数字)Timemore C2(クリック)Timemore C3(クリック)みるっこ(ダイヤル)
エスプレッソパウダー状10 – 153.5 – 4.5(10-12)(7-8)不可
マキネッタ細かい塩15 – 204.5 – 5.512 – 159 – 112.5 – 3.5
エアロプレス食卓塩20 – 245.5 – 6.515 – 1812 – 143.5 – 4.5
ドリップ (V60)グラニュー糖24 – 287.0 – 8.019 – 2214 – 164.0 – 5.5
ドリップ (Kalita)粗めの砂糖28 – 328.0 – 9.023 – 2517 – 195.5 – 6.5
フレンチプレス岩塩・粗塩32 – 389.0 – 10.026 – 3020 – 237.0 – 8.5
水出し割った胡椒40 +1.0.0 +30 +24 +9.0 – 10.0

💡 表の読み方と注意点

  • 基準点: 本ガイドでは、Comandante C40の「25クリック」を共通言語として設定しています。
  • K-Ultraの表記: 「7.5」は「ダイヤル数字7、サブ目盛り5(=75クリック)」を意味します。「1.0.0」は1周(100クリック)回った後の0を指します。
  • ()の表記: 物理的には挽けますが、調整幅が粗すぎる、または時間がかかりすぎるため推奨されない設定です。

機種別・詳細調整ガイド

「表の通りに合わせたのに味が違う」という場合、各機種の刃(バー)の特性が影響しています。ここからは機種ごとのクセと調整のコツを解説します。

Timemore C2 vs C3:決定的な「ズレ」の正体

見た目はそっくりなこの2機種ですが、中身(刃)は別物です。「C2の設定をそのままC3で使う」のは失敗のもとです。

  • Timemore C2 (標準コニカル刃)
    • 特性: 粒度分布がやや広く、適度な微粉が出るため、ボディ感(コク)のある味わいになりやすいのが特徴。
    • V60推奨 (20〜22クリック): これより細かく(例:18以下)すると、微粉でフィルターが詰まり、渋みの原因になります。
  • Timemore C3 (S2C 660刃)
    • 特性: 「Spike to Cut(突き刺して切る)」機構により、微粉が劇的に少なく粒が揃います。湯抜けが非常に良いため、C2よりも「細かく」設定する必要があります。
    • V60推奨 (14〜16クリック): もしC2と同じ感覚で「20クリック」にすると、お湯がザルのように通り抜け、味の薄いコーヒーになってしまいます。恐れずに細かく設定してください。

1Zpresso K-Ultra:微粉量と味わいのコントロール

  • 特性: 48mmの巨大な刃で高速粉砕します。C40に近いクリアさを持ちますが、フレーバーの輪郭はより「くっきり(Bright)」と出る傾向があります。
  • C40との互換性:
    • C40(25クリック)≒ K-Ultra(7.2〜7.5)
    • K-Ultraは調整幅が非常に細かいため、C40の「1クリック」の間にK-Ultraなら「1.5クリック分」の微調整が可能です。
    • 甘さを出したい時: 7.0へ(少し細かくして抽出効率を上げる)
    • すっきりさせたい時: 7.8へ(少し粗くして微粉の影響を下げる)

みるっこ R-220:電動ミルの「ゴーストトゥース」特性

  • 特性: 臼のように「すり潰す」形状のため、粒子が丸く、微粉が極端に少ないのが最大の特徴です。
  • ハンドミルとの決定的な違い:
    • C40やTimemoreと同じ「見た目の粒の大きさ」に合わせると、みるっこは味が薄く(酸っぱく)なりがちです。これは微粉が少なすぎて、お湯の滞留時間が短くなるためです。
    • 運用のコツ: C40よりも**「見た目で少し細かそう」に見えるダイヤル(4.0〜4.5)**を選ぶのが、味の濃度感を合わせるポイントです。

シチュエーション別・おすすめの使い分け

所有しているミルが複数ある場合、目的によって使い分けるとコーヒーライフがより豊かになります。

シチュエーション推奨機種設定のヒント
最高の一杯を淹れたい
(浅煎り・フルーティ)
Comandante C4025クリックからスタート。
豆の個性を最も綺麗に引き出します。
毎朝のルーティン
(速さ・手軽さ)
1Zpresso K-Ultra7.5設定
外部ダイヤルで調整が速く、粉砕スピードも爆速です。
コスパ重視・入門
(バランス型)
Timemore C315クリック
C2よりクリアな味。価格以上の性能ですが極細挽きは苦手。
コクのある深煎り
(喫茶店のような味)
みるっこ / C2みるっこ:4.5 / C2:20
適度な微粉や粒子の形状が、コーヒーに厚み(ボディ)を与えます。

粒度合わせの裏技:抽出時間(Drawdown Time)で合わせる

最後に、異なるグラインダー同士の粒度をより厳密に合わせるプロのテクニックを紹介します。それは「お湯が落ち切る時間」を合わせることです。

粒の形状が違う以上、見た目を完全に一致させることは不可能です。しかし、抽出にかかる時間を揃えることで「味の濃度」を近づけることができます。

  1. 基準を作る: C40(25クリック)でいつものレシピで淹れ、タイムを測る(例:2分30秒で落ちきり)。
  2. ターゲット機で調整する:
    • K-Ultra: 同じタイムになるようにダイヤルを回す(恐らく7.2付近)。
    • みるっこ: 恐らく4.0付近まで細かくしないと、C40と同じタイムにはなりません。
    • Timemore C3: 抜けが良いので、タイムを合わせようとすると自然と設定は細かくなります。

この表を出発点に、ぜひご自身の舌とストップウォッチで「自分だけの正解」を見つけてみてください!

最後に

ここまでお読みいただきありがとうございます。

「なんでこの5機種なの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、理由はとてもシンプルです。これらが、私が実際に所有し、日々愛用しているグラインダーたちだからです(笑)。

世の中には他にも素晴らしいミルがたくさんありますが、カタログスペックだけではなく、毎日自分の手で挽いて、飲んで、確かめた「実感値」としてのデータをお届けしたかったため、手持ちの5機種に限定した比較となりました。

もし、あなたがこの中のどれかをお持ちで、新しいミルを検討していたり、レシピの調整に迷っていたりするなら、このレポートが少しでもコーヒーライフの参考になれば幸いです。

それでは、良いコーヒータイムを!

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