コーヒーを愛飲する皆様、こんにちは!毎日の一杯をさらに美味しく、そして深く楽しむために、今回は「コーヒー生豆の精製方法」について詳しく解説していきます。
コーヒー豆は、コーヒーノキになる赤い実「コーヒーチェリー」から取り出された種子です。しかし、チェリーから種子を取り出すまでには、様々な工程があり、その過程を「精製」と呼びます。この精製方法によって、コーヒーの風味は大きく変化するのです。
本記事では、主要な精製方法を網羅的に解説し、それぞれの工程や風味への影響、メリット・デメリットなどを詳しく見ていきます。さらに、品種や産地との関係性、最新技術、環境問題まで、多角的な視点からコーヒー生豆の精製方法に迫ります。
さあ、一緒にコーヒーの奥深き世界へ旅立ちましょう!
コーヒー生豆の精製方法の種類
コーヒー生豆の精製方法は、大きく分けて以下の種類に分けられます。

- ナチュラル(非水洗式)
- ハニー(パルプドナチュラル)
- ウォッシュド(水洗式)
- セミウォッシュド
- スマトラ式
- エコウォッシュド
各精製方法の特徴と工程
1. ナチュラル(非水洗式)
ナチュラルは、最も古い精製方法で、エチオピアで生まれたと言われています。 当時は、収穫したコーヒーチェリーを天日で乾燥させ、果肉が自然に剥がれ落ちるまで待つというシンプルな方法でした。現在では、ブラジルやエチオピア、イエメンなど、日照条件の良い地域で伝統的に行われています。

工程
- 収穫・選別: 完熟したコーヒーチェリーを収穫し、選別します。
- 乾燥: 選別されたチェリーを、天日または機械で乾燥させます。乾燥期間は2~3週間ほどで、チェリーが茶色くしぼんでくるまで乾燥させます。
- 脱穀: 乾燥後、脱穀機を用いて外皮、果肉、パーチメント(生豆を覆う薄い皮)、シルバースキンを一度に除去します。
風味への影響
果肉がついたまま乾燥されるため、果実味や甘みが強く、濃厚なコクと独特の風味が特徴です。 ワインやウイスキーのような芳醇な香りを持つものもあります。
メリット・デメリット
- メリット:コストが低く、環境に優しい。[47]
- デメリット:熟度のばらつきが出やすく、品質管理が難しい。広大な土地が必要。天候に左右されやすい。 [45]
近年、スペシャルティコーヒーの需要が高まるにつれ、ナチュラル精製が見直されています。 品質向上と風味の向上を目指し、コーヒーチェリーの選別や乾燥方法など、細部にまでこだわった精製方法が試みられています。
2. ハニー(パルプドナチュラル)
ハニーは、ナチュラルとウォッシュドの中間的な精製方法で、1980年代にブラジルで開発されました。 ミューシレージ(粘液質)をどの程度残すかによって、風味や名称が異なります。

工程
- 選別: 収穫されたコーヒーチェリーを選別します。
- 果肉除去: 果肉除去機で外皮と果肉を取り除きます。
- ミューシレージ調整: ミューシレージを一部残します。残す量によって、ホワイトハニー、イエローハニー、レッドハニー、ブラックハニーと呼び名が変わる場合もあります。
- 乾燥: ミューシレージを残した状態で乾燥させます。
- 脱穀: 乾燥後、脱穀機でパーチメントをミューシレージごと剥がします。
風味への影響
ミューシレージ由来の甘みとコクが加わり、ナチュラルよりもクリーンな印象です。 蜂蜜のような甘味を持つものもあります。
メリット・デメリット
- メリット:ナチュラルより品質が安定しやすい。水の使用量が少ない。
- デメリット:ウォッシュドより複雑な工程。発酵の管理が難しい。
3. ウォッシュド(水洗式)
ウォッシュドは、世界で最も広く用いられている精製方法です。 水資源が豊富な地域で多く採用されています。
工程
- 選別: 収穫されたコーヒーチェリーを選別します。
- 果肉除去: 果肉除去機で外皮と果肉を取り除きます。
- 発酵: 発酵槽に浸けて、ミューシレージを分解します。
- 水洗: 水でミューシレージを洗い流します。
- 乾燥: 天日または機械で乾燥させます。
- 脱穀: 乾燥後、脱穀機でパーチメントを剥がします。
風味への影響
雑味が少なく、すっきりとしたクリアな味わいが特徴です。 フルーティーな酸味が際立ちます。
メリット・デメリット
- メリット:品質が安定し、欠点豆が少ない。クリーンな風味。
- デメリット:大量の水が必要。環境負荷が高い。
4. セミウォッシュド
セミウォッシュドは、ウォッシュドとパルプドナチュラルの中間的な精製方法です。 パルプドナチュラルと似ていますが、ミューシレージを機械で除去してから乾燥させる点が異なります。
工程
- 選別: 収穫されたコーヒーチェリーを選別します。
- 果肉除去: 果肉除去機で外皮と果肉を取り除きます。
- ミューシレージ除去: ミューシレージリムーバーという機械でミューシレージをほぼ除去します。
- 乾燥: 天日または機械で乾燥させます。
- 脱穀: 乾燥後、脱穀機でパーチメントを剥がします。
風味への影響
ウォッシュドよりも甘みがあり、パルプドナチュラルよりもすっきりとした味わいです。 酸味が際立つ傾向にあります。
メリット・デメリット
- メリット:ウォッシュドより甘みがある。パルプドナチュラルより品質が安定しやすい。
- デメリット:パルプドナチュラルより風味が弱い。ウォッシュドほどクリーンな風味ではない。
5. スマトラ式
スマトラ式は、インドネシアのスマトラ島で生まれた精製方法です。 雨季が多いスマトラ島で、乾燥期間を短縮するために考案されました。
工程
- 果肉除去: 果肉除去機で外皮と果肉を取り除きます。
- 一次乾燥: ミューシレージが付着した状態で、約半日天日で乾燥させます。
- 脱穀: 表面だけが乾燥し、中は水分を含んだ状態で脱穀します。
- 二次乾燥: 水分を含んだ生豆を再び乾燥させます。
風味への影響
独特の香りと苦味、濃厚なコクが特徴です。 なめし皮、森の湿った土、ビターアーモンド、ハーブ、トロピカルフルーツなどを連想させる風味があります。
メリット・デメリット
- メリット:乾燥期間を短縮できる。
- デメリット:生豆が割れたり、傷つきやすい。欠点豆のリスクが高い。
スマトラ式は、インドネシアの多雨な気候条件に対応するために生まれた精製方法です。 小規模農家が最初の工程を行い、その後、業者がまとめて脱穀と乾燥を行うという独特なシステムが確立されています。
6. エコウォッシュド
エコウォッシュドは、近年注目されている、環境負荷の少ない精製方法です。 コスタリカで水質保護の観点から開発されました。
工程
- 選別: 収穫されたコーヒーチェリーを選別します。
- 果肉除去: 果肉除去機で外皮と果肉を取り除きます。
- ミューシレージ除去: 水を使わずに、機械の力でミューシレージを取り除きます。
- 乾燥: 天日または機械で乾燥させます。
- 脱穀: 乾燥後、脱穀機でパーチメントを剥がします。
風味への影響
ウォッシュドと同様に、クリーンな味わいが特徴です。ミューシレージの除去率を変えることで、風味に変化をつけることもできます。
メリット・デメリット
- メリット:水の使用量が少ない。環境負荷が低い。
精製方法がコーヒーの風味に与える影響
精製方法は、コーヒーの風味に大きな影響を与えます。それぞれの方法によって、酸味、甘味、コク、香りが異なります。
酸味

甘味

コク

香り

精製方法とコーヒー豆の品種
コーヒー豆の品種によって、適した精製方法も異なります。品種の特性を活かす精製方法を選ぶことで、より風味を引き立てることができます。

ティピカ種
ティピカ種は、アラビカ種の原種であり、繊細な酸味と香りが特徴です。
- 多くの場合、ウォッシュドで精製されます。
- ナチュラルで精製されることもあります。
ブルボン種
ブルボン種は、ティピカ種から派生した品種で、甘みとコクが特徴です。
- ナチュラルやハニープロセスで精製されることが多いです。
- ウォッシュドで精製されることもあります。
ゲイシャ種
ゲイシャ種は、エチオピア原産の希少品種で、華やかな香りとフルーティーな酸味が特徴です。
- ウォッシュドやナチュラルで精製されることが多いです。
精製方法に関する最新技術
近年、コーヒーの風味を向上させるための様々な精製方法が開発されています。

アナエロビックファーメンテーション
コーヒーチェリーを密閉タンクに入れ、無酸素状態で発酵させる方法です。 これにより、独特の果実味と発酵感が生まれ、バナナやシナモンのようなフレーバーが生まれます。 アナエロビックファーメンテーションは、ワイン醸造からヒントを得た技術であり、近年注目を集めています。
カルチャリングシステム
発酵槽にフルーツなどの食材や微生物を投入し、独特なフレーバーを生成する方法です。 ヨーグルトなどで知られる乳酸菌等を使用した発酵をコーヒーの精製処理に応用した技術です。
マイクロミル
小規模農家が共同で利用する精製施設です。 近年、コスタリカなどで普及しており、高品質なコーヒーの生産に貢献しています。
コーヒー豆の生産地と精製方法
コーヒー豆の生産地と精製方法は密接な関係があります。それぞれの地域は、気候や地形、水資源などの条件に合わせて、最適な精製方法を採用しています。

ブラジル
ブラジルでは、広大な土地と乾燥した気候を利用して、伝統的にナチュラル精製が行われてきました。 しかし、近年では、パルプドナチュラルやセミウォッシュドなど、他の精製方法も増加しています。 これは、品質向上と風味の多様化を目指した取り組みです。
エチオピア
エチオピアは、コーヒーの原産地であり、ナチュラル精製とウォッシュド精製が主流です。 標高が高い地域では、乾燥に時間がかかるため、ウォッシュド精製が適しています。 一方、乾燥した地域では、ナチュラル精製が盛んに行われています。
コロンビア
コロンビアでは、山岳地帯の気候に適したウォッシュド精製が主流です。 コロンビアのコーヒーは、高品質で、香り高く、酸味が強いのが特徴です。
インドネシア
インドネシアでは、雨季が多い気候に対応するため、スマトラ式が開発されました。 スマトラ式のコーヒーは、独特の香りと苦味、濃厚なコクが特徴です。
各精製方法の比較分析
各精製方法には、生産者と消費者の両方の視点から、メリットとデメリットがあります。

ナチュラル
視点 | メリット | デメリット |
---|---|---|
生産者 | コストが低く、設備投資が少ない。 | 品質管理が難しく、欠点豆のリスクが高い。 |
消費者 | 独特の風味を楽しめる。 | 品質にばらつきがある場合がある。 |
ハニー
視点 | メリット | デメリット |
---|---|---|
生産者 | 水の使用量が少ない。 | 工程が複雑で、発酵の管理が難しい。 |
消費者 | 甘みとコクが強く、風味豊か。 | ナチュラルほど個性的な風味ではない。 |
ウォッシュド
視点 | メリット | デメリット |
---|---|---|
生産者 | 品質が安定し、欠点豆が少ない。 | 大量の水が必要で、環境負荷が高い。 |
消費者 | クリーンな味わいで、酸味が楽しめる。 | コストが高くなる傾向がある。 |
スマトラ式
視点 | メリット | デメリット |
---|---|---|
生産者 | 乾燥期間を短縮できる。 | 生豆が傷つきやすく、欠点豆のリスクが高い。 |
消費者 | 独特の風味を楽しめる。 | 品質にばらつきがある場合がある。 |
コーヒー精製の持続可能性と環境への影響
コーヒーの精製は、大量の水を使用したり、廃棄物を排出したりするため、環境負荷が高いという問題があります。近年、この問題を解決するための取り組みが注目されています。

環境負荷低減
- 水の使用量を削減する精製方法の開発
- 廃棄物を堆肥化して農園に再利用
- 再生可能エネルギーの活用
コーヒー副産物の活用
- コーヒーチェリーの果皮や果肉を動物飼料や肥料として利用
- コーヒー抽出カスをバイオプラスチックの原料として利用
まとめ

コーヒー生豆の精製方法は、コーヒーの風味を大きく左右するだけでなく、生産地の環境や持続可能性にも関わる重要な要素です。
本記事では、様々な精製方法の特徴や工程、風味への影響、メリット・デメリットなどを詳しく解説しました。
近年では、風味を向上させるための最新技術や、環境負荷を低減するための取り組みも進んでいます。
ぜひ、今回の記事を参考に、様々な精製方法のコーヒーを飲み比べて、お気に入りの一杯を見つけてみて下さい。そして、コーヒーを楽しみながら、その背景にある文化や環境問題についても考えてみて下さい。
コーヒー豆を購入するならNNS Coffeeで

NNS Coffeeでは、浅煎りのコーヒーは扱いがありませんが、中煎りのコーヒーならあります。エチオピアやグアテマラのコーヒーであれば、中煎りでも酸味を感じることが出来ますし、とても飲みやすいと思います。
コメント